箱根越えコース(小田原~箱根~三島)
関東の人にとって交通の便もよく、お城あり!山あり!茶店あり!温泉あり!湖あり!そして運が良ければ富士山も見える、絶好のコースです。
箱根にはよく行っているという人も、実は石畳の道を歩いたことはないという方もいると思いますので、新しい箱根の楽しみを見つけられることでしょう。
1日目 小田原~箱根(16.5km)
小田原駅をでたら、右手に進むすぐのところにある小田原城へ。
に入ることができます(どちらも開館は9時/小田原市観光サイトに割引券あり)。
そこから国道1号線が直角に曲がったところにある無料休憩所&観光案内所「なりわい交流館」へ。
中は、畳敷きの休憩スペースがあり、小田原市内の観光マップや東海道関連の本があり、宿場マップや本陣の間取り図なども掲示されています。
小田原市内は、かまぼこや塩辛、寄木などの老舗が「街かど博物館」として観光客を受け入れています。
店内の一角で、製造法の解説があったり、昔使われていた道具などが展示されています。
なりわい交流館の近くにも、「丸う田代~かまぼこ伝統館」などいくつかあるので、歩いてまわってみましょう。
小田原から箱根へは、ひたすら国道1号線を歩きます。
途中から箱根登山鉄道と並行して走っているので、いつもの箱根旅行の時の車窓風景を歩くことになります。
緩やかにですが少しずつ登りながら、街を離れ、箱根の山に入ってゆく感覚がなかなか楽しいものです。
突如にぎやかな場所が現れます。
風祭です。
かまぼこ作り体験などができる「かまぼこの里」があり、
食事どころもたくさんあります。
すぐ近くに箱根ビールの醸造所もあり、ここで飲むことができます。
ここでお昼をとり、この後の箱根登山のための体力をつけておくといいかもしれません。
さらに歩き、箱根湯本の温泉街が見えてきたあたりにある「三枚橋」で、国道1号線を離れ、橋を渡り旧街道に入っていきます。
じっくり観光もしていく場合には、1日目は箱根湯本に一泊し、翌日芦ノ湖畔まで歩いて、そこから帰ってくるというコースがいいと思います。
旧街道には、一里塚や女転し坂、割石坂などあります。
三枚橋から1時間ほども歩くと、"間の宿(あいのしゅく)"畑宿に着きます。
宿場間の距離が長い場合や、峠の手前などに、茶店が集まった「間の宿」ができたそうです。
畑宿は寄木細工で有名で、畑宿寄木会館では、製造工程や色の異なる材木素材、作品などを見ることができます。
畑宿から先は、かなり急な上り坂になり、舗装された道路をはなれ、石畳の道が増えてきます。
立派な一里塚も見ることができます。
東海道は、ほとんど大部分が舗装された道路になってしまい、昔の街道の面影を探すことは難しくなっていますが、箱根などごく一部に残された石畳道を歩いていると、江戸時代にここをわらじや馬で旅した人達の気分になれます。
急な坂は階段になっていますが、
これもかなりしんどいです。
水分補給しながら、無理せず歩きましょう。
もしくは、急坂の後に待っている楽しみを想像しながら歩くといいかもしれません。
それはなにかというと・・・
茅葺屋根が見事な「甘酒茶屋」です。
バスで訪れている観光客もかなりいます。
中では、甘酒やお餅、おでんなどが食べられます。午前11時からの数量限定で「甘酒むし菓子」もあります。
茶屋でエネルギーチャージしたら、ふたたび石畳の旧街道を歩きます。
ここからは、それほど厳しい坂はないです。
そして杉並木に入れば、もう芦ノ湖はすぐ。
芦ノ湖畔には、食事どころもホテルもありますので、ここで一泊。
2日目 箱根~三島(14.7km)
箱根といえば、箱根の関所。
「箱根関所資料館」そして復元された関所があります。
箱根関所資料館はなかなか面白いのでぜひ入ってみてください。
復元された箱根関所も見事です。
ここも入場料を払うと、中に入れるのですが、
外からでもかなり見えちゃうので、それで満足かもしれません。
同じく箱根名物、箱根駅伝ミュージアムなんていうものもありました。
中では関連グッズが販売されています。
関所から箱根峠、箱根峠からの下り道は、またまた石畳の道や林道になります。
三枚橋から箱根峠までを「箱根東坂」、箱根峠から三島宿までの下り坂を「箱根西坂」というそうですが、ハイキング客とも結構すれ違う関所までの道のりと違い、歩いている人はほとんどおらず、正直、ひとりだと寂しくなってきます。
なにせ、こんなうっそうとした道も歩くのですから。
絶対に夕暮れ前にはふもとの人家がある場所にたどりついているよう、
箱根関所あたりで時間をつぶしすぎないほうが安全です。
(管理人は、13時半頃に箱根関所を後にし、14時半頃に箱根峠を通過、林間コースを歩き終えて旧国道1号線に合流したのは16時頃でした。その日、元箱根からではなく箱根小湧園からの出発だったためですが、時間的には遅く、三島市街までまださらに2時間かかったため、日暮れ後にかなり歩く羽目になってしまいました)
箱根峠を越えると静岡県に入るため、東海道沿いには、このような観光案内標識が登場します。
下り道にもいろいろ史跡があり、丁寧な解説がつけられています。
見晴らしのいい場所もたくさんあります。
天気がよければ、駿河湾と富士山もきれいに見える場所もあります。
石畳は、近年になってから修復されたそうです。
管理人が歩いた日は大型台風の翌日でしたが、落ち葉がきれいに掃除され、歩きやすくなっていました。
今でも多くの地元の人たちの手で維持・管理されている道です。
かなりふもと近くになったところですが、
駿河湾、そして街が見えてきます。
もうすぐかな?なんて思っていると・・・
まだまだ石畳の急坂が待っていたりするのですが、
ゴール地点が見えていれば、元気もでます。
こわめし坂は、舗装された道なのですが、
ありえないくらいの急坂です。
そして三島宿へ。
時間があれば、三島大社へ。
東海道からJR三島駅に向かう途中には、「楽寿園」という庭園もあり、中には三島市郷土館があります。
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小田原から三島にいたる箱根越えの道は、かなり急な坂も多く石畳のため、体力が必要です。
それでも、昔のままの石畳の道は、江戸時代に多くの旅人が行きかった東海道を実感させてくれる場所でもあります。
1日目も2日目も、距離は15キロ前後とそれほど長くないのですが、
見所が結構あったりするので、うっかりしていると日没前に目的地につけないなんてことにもなりかねず、山道なだけに注意が必要です。
また、飲み物も必ず確保して歩いてください。
トイレは「まだいいかな」と思っても、見つけた時には絶対に入っておいたほうがいいです。