「東海道を歩いている人もいるんだよ」
という男性の会話が耳に入ってきたので、「こんにちは」と挨拶して近づいてみたら、お参りにきた近くの方だそうで、いろいろ話をしてくれた。
久延寺は「夜鳴き石」があるところとして知られている。
詳細ははしょるが、山中で子供がおなかにいた女性が殺されてしまい、切られたところから子供が生まれた。
女性の魂が近くの石に乗り移って、
夜になると泣き続ける。
子供はお寺でお坊さんに育てられ、最後は母親の敵討ち。
・・・そんな話。
で、確かそのお寺がここで、
庭には石がおかれている。
ただ男性によると、これは本物じゃないかもとのこと。
ずっと前に関東で開催された博覧会に石が出展され、それをまた持ち帰ってくる時に、ここまであげるのは大変とかいう話で、別の場所に。それが国道1号線沿いの小夜の中山トンネル手前だそうな。
ただお寺にも石がないといけないだろうということで、これを替わりにおいたんだとか。
「結局、どっちがほんものなの?」
「さあわからないけど、まあいいんじゃないの」
そんな会話が交わされていた。
ま、確かに現代では夜泣きもないんだろうから、別にどの石でもいいのかもしれない。
実際に石があったのは、ここよりふもとのほうだったそうで、その場所は自分もこの後通った。